多くの3Dプリンタはプリントヘッドにモデルを冷却するためのファンが取り付けられていますが、
Crelityはそれだけでなく、庫内の2か所に大型の補助冷却ファンが取り付けられています。

私はこの補助冷却ファンが高速造形を行う上で、どれくらい有効なのか気になりました。
そこで、今回はこの補助冷却ファンの有無によって造形の品質がどれくらい変化するのか、
実際に試してみたいと思います。
冷却ファンはなぜ必要なのか
まず、造形を始める前に、なぜ冷却ファンが必要なのかご説明します。
冷却ファンは、モデルを冷却するために使用されますが、
それは、モデルの形状を確実に造形するためです。
冷却ファンがない場合、下記の画像のように造形が終わって次の層に移動した際に、
吐出した材料が完全に硬化するまえに、上の層が積層されてしまうことがあります。

このような状態だと正常な形を維持できずにくずれてしまう原因になります。
冷却ファンは吐出された材料を瞬時に冷却することで、
上の層が造形されるときには硬化した状態になります。
これによって崩れることなく造形することができます。
今回造形するモデルについて
今回造形に使用するモデルは、円錐のモデルです。
テーブルに近い部分ほど面積が大きく、
造形が進むにつれて徐々に面積が小さくなります。
そのため、冷却が追い付かなかったときの変化わかりやすいと思いました。

造形条件について
今回の造形条件は下記のように設定しました。
条件: )
〇ノズル径 : 0.4mm
〇積層ピッチ : 0.2mm
〇造形速度 : 一層目60mm/s | 外壁200mm/s |内壁300mm/s | インフィル250mm/s
〇材料 : Hyper PLA
〇ノズル温度 : 210℃
〇モデルファン : ON(100%)
〇補助冷却ファン : OFF
〇インフィル : 15%
モデルサイズ : 175×175×90mm
造形時間 : 約1時間30分
造形の様子
完成したモデルを評価


全体的には非常にきれいに造形できていますが、
やはり円錐の先端までは、うまく再現できていないようです。
ONにして造形していく!
形の様子
完成したモデルを評価


無事に完成しました。
早速細かく確認していきます。
ファンありの先端部

拡大カメラで見た先端

やはり多少荒れている部分はあるものの、なしに比べて若干ではありますが、円錐の先端部分がとがっているように見えます。
ファンなしの先端部

拡大カメラ

まとめ
今回の検証では補助冷却ファンの交換について調べるために
ON/OFFで二つのモデル作って造形してみました。
私が想像していたよりも差がでなかったです。
今回の形状ではわかりにくかったかもしれませんので、
引き続き様々な検証を行い、またご紹介したいと思います。
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