Crealtiy Falcon2 Pro 60Wは、レーザー出力を3段階で調整することができ、
この1台で切断と彫刻の両方の加工に対応できるのも特徴のひとつです。
高出力で材料の切断が得意な「60Wレーザー」、
汎用的でどちらの加工にも対応できる「40Wレーザー」、
彫刻などの繊細な加工向けの「22W」モードがあります。
私はこれまでのブログでは、40Wのモードを使って加工を行いその様子をご紹介してきました。
今回はこれらの3つのモードをそれぞれ実際に使用し、
どのような違いがあるのか検証してみたいと思います。
Crealityのレーザーの仕組みについて
実験の様子をご紹介する前に、まずは Crealityレーザーの仕組み について簡単にご説明します。
Crealityのレーザーヘッドは、1つのレーザーユニットで出力を調整する仕組みではありません。
一見1つに見えますが、実は5.5Wのダイオードレーザーを最大12個搭載 しており、
必要に応じてそれらを ON/OFFで切り替える ことで出力を調整しています。
例えば、
- 22Wモデル → 4個のダイオードを使用
- 40Wモデル → 8個のダイオードを使用
- 60Wモデル → 12個すべてのダイオードを使用
という仕組みです。
そして、それぞれのレーザー光をレンズで集光し、
最終的に 1つの強力なレーザー として加工を行っています。

レーザー出力の切り替え方法について
レーザーの出力の切り替えは非常に簡単です。
本体のレーザーユニット上部に出力の切り替えを行うためのボタンが取り付けられています。

電源投入後、右側の黒い●ボタンを押すことで簡単に切り替えることができます。
このとき、レーザーユニット本体で設定しているモードと、
付属ソフト上の右下に表示されるレーザ出力が同じになっていることを確認します。

加工していく!
それでは、早速加工していきます。
検証用に、下記のような簡単な彫刻を行うデータを用意しました。

こちらを3つのモードで、同じレーザー出力、同じ速度で加工したとき、
レーザー出力モードの違いによって加工したワークの仕上がりに違いが現れるのか確認してみたいと思います。
今回は、真ん中の設定である40Wの出力設定に合わせて、
【彫刻】
●レーザー出力 : 25
●速度 : 6000
で行いたいと思います。
22Wの場合


40Wレーザーのデフォルト設定を使用したため、
22Wレーザーだとうっすらと表面が焦げる程度で、
ところどころ加工できていない部分があります。
そのため、本来であればもう少しレーザーの出力を強くするか、速度を遅くして加工する必要があります。
40Wの場合

40Wでの設定を基準としたこともあり、22Wレーザーと比べてラインがはっきり見えるようになりましたが、こちらも角の模様がきれいに加工できていないため、まだ調整が必要なようです。
しかし、まったく同じ条件でもレーザーの出力が強くなったことがわかります。
60W

60Wで彫刻してみるとかなりきれいにラインができ、角の模様も形状がわかるくらい加工できました。
このように、レーザー出力を変えることで、同じ設定でもかなり違いがあることがわかりました。
また、人の目で見ても明らかにレーザーのラインの太さ(スポット径)が明らかに違うため、
拡大カメラを使って確認してみました。
参考として、髪の毛(太さ約0.08mm)を上に置き、
スポット径の違いがわかるようにしてみました。
22W

40W

60W

22Wは髪の毛と比べても同じくらいか、若干細く見えるのに対して、
60Wでは、かなり太くなっていることがわかります。
まとめ
今回は、3つのレーザー出力の違いにについて検証しました。
その結果、モードによって同じ加工条件でも、出力されるレーザーのパワーが大きく変化し、
それに伴いレーザーのスポット径も大きくなるということがわかりました。
マディのCrealtiy製品研究所をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
コメント